鉄砲玉って、こんなに持っていて良いんだっけ?

2500発って…って感じの朕だ。

○車に散弾2500発、自宅からも押収 乱射容疑者
2007年12月16日15時19分
長崎県佐世保市のスポーツクラブで8人が死傷した散弾銃乱射事件で、自殺した無職馬込政義容疑者(37)の所有車に、散弾銃の実弾約2500発が残されていたことが16日、佐世保署捜査本部の調べで分かった。…(時事)*1

確か、実包って必要最小限しか買えないんじゃなかったかな*2? とりあえず、むやみやたらと買える物ではなかったはずだ。銃の管理は厳しく、銃本体と銃弾は別個に保管されなければならず、それぞれ鍵が掛かる保管庫を用いる。もちろん、それは正常な人が、正常な感性で以って、正常に管理していたら守られる…というものである。
銃の保持にはいろいろ面倒な手続きがある。一般に空気銃は18歳から(だっただろうか?)所持することができるが、競技に用いるという前提であるならば、14歳くらいから持つことができる*3。火薬銃は22歳くらいだったろうか? それくらいから持つことができたはずだ。もちろん、競技用であれば、18歳から持つことが出来たと思う*4。年齢的な要件を満たしたら、今度は身体的な要件を満たさねばならない。麻薬をやっていたらダメだし、アル中でもダメだったはず。詳しくは覚えていないが、精神科の通院暦があってもダメだったんではないだろうか*5。要するに、銃を管理できる当たり前の能力があれば良い…ってことだったはずだ。次に、社会的適正のチェックがある。自分の親戚に暴力団関係者や日本を暴力で転覆しようと標榜する組織に入っている人がいると、その段階でアウトであったように記憶している。もちろん、自分自身がそれらの組織に加入しているのであってもアウトである。最後に、学科講習と学科試験、火薬銃では実技試験があったはずである。学科の方は当たり前のことを当たり前に考えることができれば、普通は失敗しない。一部、銃の性質や銃弾の性質に関する出題があるが、別に難しい話をされるわけではない。ぶっちゃけ、バカでなければだれでも学科はクリアーできるということだ*6
このように、銃の所持に際しては、いろいろ面倒な手続きが多い。だから、普通はバカやイカレポンチは銃を持つことはできないはずである。しかし、銃の免許というのは一回とってしまったら後はとりっ放し状態なのである。年一回、銃の点検というものがあって、そのとき警察にいかなければならない…というものはある。しかし、その時に血液検査をして麻薬をやっているとか、アル中だとかをチェックするわけではない。通院暦だって提出した記憶はない。調べられるのは銃が無断で改造されていないか? といったこと程度であったように記憶している。要するに、銃の所持許可を取ってしまえば、後は人間に対するチェックが働いていないということだ。
朕は火薬銃を扱ったことはないので、火薬を買う際に警察でどう言えば許可証を取れるのか分からないが、2500発といのは尋常ではない。仮に一ヶ月狩猟したとして、一日あたり80発も撃つことになる。狩猟でそれほど使うことはあるのだろうか? 朕はそうは思えない。ただし、競技用であれば、それくらい撃つ人もいるかもしれない。特に、練習の時は一日中射撃場にこもって撃つだろうから、一日80発というのは十分に有り得る。
いずれにしても、銃を管理する法規の面での緩さに対する批判はあって然るべきだろう。例えば、免許更新の際には警察が身上調査をした上で、免許所有者が偽りを言っていないか? とか、抜き打ち家庭訪問などで銃の保管状況を点検できるようにするとか、そのように改めるだけでもかなり違うと思うのだが。

追記:念のために言っておくが、ここで朕が書いた銃に関する記述は、引用記事を除いた脚注も含めて、全部朕の記憶によるものであり、とりたてて何かを参考にしたわけではない。もし銃を所持したいと思っている人がいたら、朕の日記を参考にするのではなく、近くの警察署の生活安全課やそれに準じる部署に問い合わせて欲しい。問い合せ先が分からなければ、とりあえず近くの警察署に電話し、銃の所持に関して聞きたい…と言えば、適切な部署につないでくれるはずだ。読者諸君がここの記述に基づいて行動して、何らかの不利益をこうむったとしても、朕はなんらその責を追うつもりはないし、その義務も無いことを宣言しておく。

*1:朝日ドットコム:http://www.asahi.com/national/update/1216/JJT200712160005.html?ref=rss

*2:実包とは、火薬を使用して弾を打ち出す銃の銃弾。一般には空気銃と競技用火薬銃がよく出回っている。ちなみに、空気銃というとおもちゃ屋やエアガンショップで売っている「エアーソフトガン」を思い浮かべる人がいるが、それとは別物である。空気銃は、火薬こそ使用しないものの、圧縮空気を使って鉛弾を打ち出す。形状は頭の平べったいてるてる坊主のようなものである。サイズは確か幅6mmくらい…じゃなかったかなぁ。

*3:もちろん、いろいろな書類が必要だ。中学生や高校生なら、日本ライフル射撃協会の推薦状みたいなものが必要だったはずだ。

*4:これもどこぞの推薦状見たいなものが必要だったと思う。

*5:今回の事件の容疑者はその通院暦があったようだから、正確ではないかもしれない。

*6:朕は高校生のときに免許を取得したが、その学科試験に4回も落ちている奴らがいた。また、一般社会人でも何回かチャレンジしている人もいたらしい。落ちた理由はいろいろあるかもしれないが、少なくとも問題は何も難しくない。日本語さえ読めれば。